ちゅら家の怪談 

オカルトが苦手な方はスルーしてくださいな。
今回の記事にちゅらさまは出てきません!


実家に行くと母が人形に何かをコソコソと話していました。
「お別れ」とか、そんな言葉が漏れ聞こえてきます。


わたしがひょこっと顔を出し「その人形どこかに行くの?」と話しかけると、
驚いたのか少し慌てたように「お嫁にゆくの」と母は言いました。
「知り合いの人形遊びが好きな年頃のお嬢さんのところに。」


わたしにとっては初耳の話。
人形も可愛がってくれる人のところに行けば嬉しいだろう、と思いました。
それと正直、フランス人形ってちょっと不気味なんで、欲しがる人がいて良かったなぁとも思いました。


実はこの人形、知人宅から我が家にもらわれて来ました。
70体以上のこけしと共に。



ガラス戸の付いた棚に飾られたそれらを見た人の第一声は一様に、「こわい」です。
わたしは霊などは全く信じないので怖くも何ともなかったのですが、
「これはなにかあるぞ」などと言って母を怖がらせ、からかっていました。


しかし実際怖かったことがあります。
姉と帰省している時のこと、ぐっすりと休んでいる祖父以外の家族は二階に集っていました。


わたしは電話をするために一階に。
なんとなく人形の間に行き、先ほども書いたように怖くなかったので電気も付けずに話し込んでいました。


だんだん、表現しがたい、いや〜な感じになってきました。


その時は人形達のことはすっかり忘れてたんです。
暗闇なので、人形たちが見えませんでした。


しかし、目が暗闇に慣れていくにしたがい、その「いや〜な感じ」が「視線」だということに気づきました。
70〜80体なので、160個近い目がわたしを見てたわけですね。


いくら信じてないといえども、気持ち悪いのには違いないので、二階に引き上げることにしました。
「でも、絶対怖くなんかない。心理的な問題だ。」
怖くない証拠に、わたしはわざわざ人形棚の方の出口から出てやろうと思いました。


人形棚を横切るまさにその時でした。
ガラス戸の内側からこぶしで叩いたような大きな音が響きました。


ドキッとはしましたが、なにか説明がつくだろうと立ち止まって考えました。


5秒後・・・
説明つか〜ん!!だれか〜。


急いでドアを開けようとしましたが、開きません。
ちょっとしたパニック状態だったのかも。


なんどか引っ張ってやっと開きました。
恐怖のあまり、祖父が寝ているのにも関わらず、ばたばたばたっと音を立てて二階に駆け上ってしまいました。
ほんとに怖かった。。


その夜、寝苦しく(真夏でした)目が覚めてしまいました。
となりの布団を見ると、こけしが!!


・・・と思ったら、姉が体に器用に布団を巻きつけて、みの虫みたいにして寝てただけでした(笑)
お姉さん、それ、紛らわしいですから!


母にこの話をすると「こけしはただの民芸品でしょ!」と言いました。
こけしは子宝・繁栄の象徴などと言われ、広く(一部のマニアから?)愛されています。
まさかこけしが悪さをするはずはありません。よね???


そして疑惑の目がフランス人形に向けられるようになったわけです。


「それにしてもフランス人形なんて気持ち悪がらずによく欲しがるね、変わった親御さんだね」と、母に言うと、
「欲しいとは、言ってない。だから連れてくの

どういう意味?と思いました。
「・・・断られたなら、その足で人形寺にお嫁に行く


ちょっと〜。
お母さん!自分がきもちわるいと思ってる人形を小さな女の子に押し付けに行くのはやめてください(汗)


ちなみにネットで「こけし 怖い話」で検索するとわんさか出てきます(笑)


そうそう、フランス人形達がいる場所は棚の左下。でもガラス戸から音がした場所は棚の右上のこけしスペースなんですよね。
・・・いたずらしたのは誰でしょうね??